今、皆さんの前にことばの発達が気になる子どもが居るとします。その子に対して、ことばの発達を促すような遊びをするとき、どのような遊びをすれば良いのか……と悩まれる方もいるのではないでしょうか。
ことばの表出(言語表出)が少ないから、沢山ことばを覚えさせよう!
ことばの表出というのは、目に見えやすい子どもの行動ですよね。なので、発達の中で一番気付きやすい行動特性といっても良いと思います。そのような理由があって、ことばの発達に注目が集まりやすいとも考えることが出来そうですね。
さて、上記のような支援の方法ですが……一つの方法としては効果的ではあります。しかし、すべての子どもに対してこれが活用できるかと言うと、決してそうではないと考えています。
そこで、言語発達を伸ばしていくポイントとして2つほど提示したいと思います。
- コミュニケーションの基盤が成り立っているのか
- ことばの理解(言語理解)はある程度獲得しているのか
① コミュニケーションの基盤が成り立っているのか
まず、ことばの発達に大きな影響を与えているものがコミュニケーション能力です。
ことばを使う時、皆さんはどのような場面で使いますか? ……もちろん、誰かに何かを伝えたいときが多いですよね。独り言のように相手がいない場合もあるかもですが、基本的には相手がいます。
そのため、ことばの発達が遅れている子がいた場合には是非、人に対して興味があるのかをチェックしてみてください。社会性の発達については、以下の記事を参考にしていただけると幸いです!
② ことばの理解(言語理解)はある程度獲得しているのか
ことばの発達には『言語理解(どのくらいことばを理解しているのか)の発達』と『言語表出(どのくらいことばを言う事ができるのか)の発達』の2つの側面があります。
そして、この両者は発達に差があることが多いです。
例えば、2歳0か月の言語発達を見てみましょう。一般的な言語表出の発達では、2語文を言う事ができるというものが基準になってきます。しかし、言語理解の発達では3語文程度の文章を理解することができます。
つまり、言語発達では言語理解の発達があっての言語表出の理解があります。子どもの頭の中にあることばを必要な時に表出する……タンスの中にあるものを必要に応じて出すような感覚でことばの表出は始まります。ですので、そもそもそのタンスの中に言葉が入っていないとことばを表出することはできないという事です。そのため、ことばがあまり出ない子どもに対しては、まずことばをどの程度理解しているのかということを確認する必要があります。
では、どのようにことばの理解を確かめていくのでしょうか?
一般的な療育では、絵カードなどを数枚提示して「〇〇はどれ~?」というように確認していきます。ですが、ことばの発達に限らず様々な発達を促す活動は子どもが ”たのしい!”と思えるような活動にしたいと考えています。ですので私の場合では、その子が興味を持っているものを活用しどのことばがタンスの中に入っているのかを遊びの中で見つけていくように心がけています。ままごとが好きな子どもであれば野菜や果物の名前をままごとセットを用いて、そのごっこ遊びの中で確かめたり(「〇〇ちょうだい~!」のような声かけ)しています。
【まとめ】
今回は、ことばを発するためにはどのようなことが必要なのかということを書かせていただきました。ことばを発するということは、自分の気持ちを誰かに伝えたい! という気持ちを芽生えさせることが重要です。現在、母子の活動の中で、例えば動画を見せるなどの関わりは(いや、これは関わりとは言えないですね……)母子間でコミュニケーションが発生しないことが多いです。ことばの理解がどの程度あるのかということも大切ですが、私はコミュニケーションを取りたい! という社会性の発達が1番重要なのではないかなと思っています。
ですので、たくさんコミュニケーションを取り、関わるって楽しい! ということを伝えていければ良いなと感じています。
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